内田勘太郎の『サマータイムブルース』がお気に入りです

ブルースギターの第一人者・内田勘太郎の弾き語り作品を14曲収録したCDです。
彼の作品には湿っぽさがありません。
酒・金・恋愛に関するギラギラした衝動を歌うのがアメリカンブルースだとすれば、彼のブルースはもっとプリミティブな感情を歌っている感じがします。
旨い物を食べた、雨に振られた、やる気が出ないといった日常のあるあるネタが満載で、歌詞の世界に共感しやすいのです。
アップテンポの「サマータイムブルース」「オキナワBrightLight」は、バンド仲間とのギグが心底楽しそうです。
ブルースの古典にインスパイアされたであろう「グッバイクロスロード」「オイラ悶絶」は、疾風のようなスライド奏法が格好良いです。
「ひたすらハイウェイ」は風来坊の背中を思わせる日本語詞が爽やかで、原曲を凌駕した印象があります。
「一本道」ではリコーダーの音色が叙情的です。
「DoDidDone」「列車に揺られて」は、軽やかなカッティングにつられて口ずさみたくなります。
「オンリィユー」は口笛のアクセントがお洒落です。
「地味な夜」では、弦を爪弾いて鶏の声を再現してみせる小技がニクいです。
「ご陽気に」「そんなもんだろ」「嫌んなった」は、奏者の人生観が詰まった歌詞にほろりとします。
「美らフクギの林から」はアコギの一音一音が伸びやかで夢見心地になります。
歌唱力に難はありますが、かえってそれが枯れた味わいを醸し出している素敵な作品です。